うすのろと阿房な話

個人化された日常にあること 気になったことを。 白南風(しらはえ)とは梅雨が明ける6月末ごろから吹く、爽やかな空気を運ぶ南風のことを言います。

本番前 直前調整試合 VS ザンビア

27℃ 70%近い多湿な環境、より本番に近い条件

キャップがいない以外はほぼいままでの主力とおぼしき布陣。

 

前半:

相手のコンディションは悪くない。日本のショートパスの距離感に合わせ全体的にタイトにポジショニング、楔を誘いそこで奪う組織だった守備、日本の初っ端の強いプレスもところどころでかわすテクニック。コートジボワールとはややスタイルは違うと思われるが、身体能力という面でいうと大きな差はないだろう。レベルは決して低くない。

 

プレスの強度でいえば、質は違うが日韓戦で韓国が見せるフィジカルを前面に出したゴリゴリかつ血走ったオールコートプレスに初速を+αしたくらいの感じ。南アでのパラグアイのような老獪なかつしつこく、抜けがないような守備とも違う。

全く見たことがないような異次元の圧力のレベルでは決してない。ソリッドにバチバチ当たりに来る、というより粘りのある早さに組織が少し+されたイメージ。南アの決勝トーナメントでガーナがアメリカ戦、ウルグアイ戦で見せた組織だった守備を一回り小さくした感じ。

 

第二戦ではギリシャも守備の強固さで知られるが、その守備陣を崩す上でもよい対戦相手と考えられるように思う。

 

前半、こぼれ球などの中盤の身体の寄せ合いでは3070くらいで相手が勝っていた。楔のボールを読んで寄せてくるスピードは今までにはなかったレベル。戦術として楔を狙うという意図がはっきり見える。ピッチがやや悪いことに起因する日本側のトラップミスも絡み、楔を入れたボール、楔のあとのプレーで何度も相手DFにひっかかる。しかし、日本もDF面では逆に高い位置でボールを奪いあわやフィニッシュまでの形も数回見せる。ただ、今回は上手くフィニッシュにはつなげられなかった。

 

日本の攻撃面では、日本のフォアプレスをたくみにかわされたことでMFから前の体力が削られたのが原因だろうか。あまり見られないフリーでのミストラップや、パスミスがあったのはピッチ環境以外にペース配分が難しかったせいでもあるだろう。

 

相手の前半の得点はコーナーからのトリックプレーはほぼ完ぺきな形だった。完璧に意図を読んでいないと止めるのは難しいだろう。一点目は中盤のやや高い位置で囲まれながらドリブルをして日本DFを中央に引き寄せる効果的なプレーがあって、サイドからのクロスの展開。その時点で3人~4人だったか、ほぼジャストな形で入り込んでいた。

 

ファンブルが調度いいこぼれ球になったとはいってもあれだけ高い位置でDF下がりながら、相手がそろっているとなると完全に崩されたという形でなくとも失点する可能性は遥かに高くなる。

 

ああいう日本国内では弛んだって言わない守備の近接レベルで、異様かつ効果的なドリブルを織り交ぜて中央を穿ってくるのはアフリカの選手によく見られる。いいリズムに乗らせると突拍子もない身のこなしや読みにくいアイデアを出してバイタルエリアにも侵入してこられる。洗練されたプレー、効率的なプレーというのとは違うが、強みが出たシーン。ああいうシーンを作らせないか、リズムを分断できるかが課題になる。

 

1戦目には世界のトップクラスと評価を受けるMF(センターハーフがいる(ドリブルで打開もでき、対人プレーに非常に長けていて、フィニッシュにも絡み、その上配球もそこそこできるオールラウンドにレベルが高い※クラブチームとは役割が違うかもしれないが)。その点の対応についてもいいシミュレーションになっただろう。

 

 

後半:

後半、相手のプレスがかからなくなって(相手の体力面か、日本のボール廻しやり方がやや変更したからか、原因はわからないが)からは、日本の得意とするポゼッションサッカーが見れた。カウンターになりそうな場面もボランチが時間をかけさせたりすることで効果的に抑えていた。フィニッシュまでいきそうになったのは2回くらいか、ビックチャンスには至っていない。概ね攻守切り替えのところの守備に大きな綻びはみせなかった。

 

後半主要なところを見ると競り合いも盛り返し4555くらいでこぼれ球に絡めてた。単純に寄せの速さや、駆けっこのスピード、フィジカルの圧力を経験し、それに対処できたように見えた。その点はシミュレーションとしても非常に大きいように思う。

 

後半には交代選手がチャンスをつくり得点に絡み、良いモチベーションをつくる形で逆転して4-3で試合終了。13番は3-3の同点になる失点に少なからず絡んでいたので、逆転のゴールを決め良い形でミスを取り返せたのは本番での精神状態によい影響を及ぼすだろう。

 

相手は、DF面では1対1のフィジカル的な面、前への圧力は確かに強いが、裏への対応でポコッと抜ける瞬間があったり、攻守の切り替えの場面でポジション修正がやや遅れているように見受けられ、付け入る隙はあるような雰囲気はした。 試合前の日本選手のコメントにそのような指摘があり、実際に見られた形。

 

前半の守備を後半の半分くらいまで続けられていたら、体力的にみても押し返すのは厳しかっただろう。そして、逆転してポゼッションもほぼ日本のペースで進められたのは交代三人目以降の選手が出た後だったので、本番を想定するとそれを直接100%の評価はできないが、短い時間でも結果を残そうとするモチベーションの高さは感じた。

 

ここ何試合か後半の得点が多いのも、ポゼッションで相手の足が奪われた結果の集中力切れという面もあるので、後半、相手のプレスをかわし始めた原因と理由を考えるのは意味がある。

 

7番が中盤の底でもった時には危険なパスコースは制限され横パスが多く、いつも通りのリズムをつけた効果的なパス回しは後半最後の方になるまでほとんど出せなかった。カウンターの起点になりそうなところではファウルで止められていた。配球役であることはすぐわかるだろうし、攻撃の端緒になるのはほぼここなので、本番でも同様にケアされることは間違いない。

 

本番の環境が今日より暑く厳しなり、同じような流れになった場合、体力面で厳しくなるような気がした。いかに後半相手の足が落ちる段階までに、得点で有利な立場にいるか、相対的に自分の足を残しておくポゼッションができるかにかかっているだろう。

 

しかし、点差をつけられて後半を迎えるようになると、調整試合とは違い相手が出てくる必要もなくなるので、体力をディフェンス面に温存することは可能。そうなると崩すのは更に難しくなると思う。1戦目だと、今日より遥かにカウンター向きの選手がいるため、先制点を取られることが今までより大きなダメージになるのは間違いない。

 

しかし、結果さておき内容面では、特に相手の戦術への対応、交代選手の試合の入り込み具合などが順調に仕上がりつつあると感じれた良い試合だった。