うすのろと阿房な話

個人化された日常にあること 気になったことを。 白南風(しらはえ)とは梅雨が明ける6月末ごろから吹く、爽やかな空気を運ぶ南風のことを言います。

W杯 ブラジル大会  開幕戦 ブラジル VS クロアチア

ブラジルの強さが戴冠まで向かえるものなのかを軸に一試合を見ていた。

 

まず守備陣、前半アクシデント的な1失点以外は1-2とひっくり返された後半にクロアチアが出てくるまで、チャンスを作らせないばかりでなく、ボランチを超えてバイタルにほとんど入らせない。クロアチアがリードして様子を見ていて3列目だけでなく2列目さえ無理してそれほど出てこなかったこともあるが、ほとんど中盤のフィルターで掬い取られる。前線のサボらなさと、2ボランチが共にボール奪取能力、スプリント力と申し分のない守備的なスキル。加えてセンターDFは二人とも世界のTOPといわれるタレント。チアゴの方は見たことなかったが、ハードマーカーでクラッシャータイプのダビドシルバとは違うタイプなんだろうか。

 

それにしても固い硬い、堅い。前回のセレソンも守備のほんわかさが見えにくいチームだったが、今回はそれに輪をかけて、渋いゲームを作ってくる。ネイマール以外はほとんどサボらない。

 

1点目取ったのはネイマールはさすが、シュートほんとうまい。効き足でない左であの精度が出せるのプレイヤーはなかなかいない。ゲームメイクにはそれほど絡まないでフィニッシュとその一歩前の自分の仕事に集中しているのもいい傾向。

 

ドリブルのテンポチェンジとその後の加速もスムース。メッシやCロナとは違うタイプのドリブラー。初速の爆発力ではメッシにちょい劣るが、次世代のTOPを狙う位置にいるのがわかる。ちょっと足元スタートの割合が多いのは気になるが。

 

しかし、この試合のMVPはオスカルか2枚のボランチだろう。特にオスカルは出色の出来、チェルシーでも偏差値高いムラのないプレーを続けているが、カナリア色着て更にプレーが映えて見える。何度も自陣深くまで戻って守備をし、切り替えの場面でファーストDFに走りスライディングで相手の構成を潰し、シンプルなプレーも出来て判断のミスが少ない。それに加えて3点目のトゥーキックのアイデアはこれぞブラジルというテクニックを見せた。ネイマールが周囲の期待を背負ってる横でクリエイターとして花咲くのはむしろこっちかと思わせるほど。

 

ブラジルの長所ばかりが目についたわけでもない。前半のクロアチアはコンディションの良さを手伝ってか、守備のテンションがみなぎっている。ブラジルが後半の時間帯になって焦ってくるまで失点しなかったら、あるいはという雰囲気はあった。それだけに崩されたわけではないが、ネイマールの1点は非常に大きかった。

 

 

後半追う展開になってクロアチアがさすがに鋭い攻撃を出してきた。点が入ってもおかしくないチャンスがすくなくとも3回~4回 ここで同点にされていたら展開は混沌としたものになっていた。

 

攻撃陣は早い段階とはいえ、思わぬ失点にバタつくかなと思ったが、結構落ち着いて、もう少しでというチャンスを幾度も演出する。クロアチアのコンディションは非常にいいように見えたので、おそらくMAXのコンディションではないブラジルでこの試合展開なら、本調子になった時どれくらいのプレーを見せるのかという期待も出てくる。

 

しかし逆転するまでややエキサイトし冷静さを失う場面があった。

前回の大会も、フィジカルで挑発的な試合展開に、チームが冷静さを欠き、ベンチまでも収拾がつかないような状態になった末の自滅といっていい敗戦だった。同じ轍を踏まないようホームのサポーターからの期待がより悪いプレッシャーとしてチーム全体に波及しないように、試合の激しさが増し、熱くなった場合にそれに巻き込まれないような泰然とした冷静なゲームコントロール役、冷まし役を早めに見出した方が良いように思えた。キャプテンがどれくらいその役を担って引き締められるかだろう。どっちかっていうと、冷静で図太いタイプのようにもパッと見、見えるし。

 

コンフェデで圧倒的な力の差を見せつけて優勝したのは確かだが、対戦チームのコンディションは本番とは比べようがない。予選で激しい戦いを免除されてたし、経験のある選手が少ないといわれている事を加味しても、プレーの質うんぬんよりも、死角があるとすればそこか。

 

上手いし、固い、強いのは間違いない。初戦の勝利で落ち着くのも好材料

華より実をとって悲願の・・というところだが。どうだろうか。